令和5年度 ひょうご海の子作文

令和5年度「ひょうご海の子作品展」作文受賞作品

兵庫県知事賞
「私の大好きな海」明石市立朝霧中学校 1年 渡部伊織 わたなべいおり

私は海が見えるところに住んでいるので、海は身近な存在です。空気が澄んでいる朝は漁船のエンジン音が聞こえ、イカナゴ漁の時は特によく聞こえます。空や運の色が毎日違い、きれいな青色の海で淡路島がはっきり見える朝はいいことがありそうで気持ちがアップします。湿度があるあたたかい日は海のかおりがし、黄砂がふいた日は海と空が黄色でかすんでいます。また秋、夕日が海に沈んでいく時の青、黄、ピンク赤のグラデーションの空を見るのが好きです。大蔵海岸でフレスコボールというスポーツをしていて、海を見ながらのスポーツはとても気持ちがいいです。そんな海の美しさを感じられる明石の町が大好きです。
私は小学生の時コープこうべさんが開催してくれた海に関するイベントに家族とたくさん参加しました。 干しダコ作り、ちりめんモンスター探し、かいぼり、森作り、坊勢島へ漁業体験、南あわじのわかめの種付け体験など、どれも基調な体験で楽しく美味しかった思い出があります。淡路島でのかいぼりは、ため池の水を抜いたら大きな外来種のかえるがたくさんいてビックリしました。大人が池の底の泥をかき出して海へ続く水路に流し、ため池にあるプランクトンが豊かな海になるエサであると知りました。
また、森作りでは、木は密集していると日光が当たらず成長しないので、日が当たるように切りました。森が成長し、腐葉土の栄養を含んだ土が染み込んで海に届けられるという海に関係ない事のように感じるけれどとても重要で、自然界はつながっているのだと教えてもらいました。海の色は透明なのがきれいな証拠だと思っていたのですが、それだとプランクトンが少なく海の生き物のエサがなくて豊かにはならないのだと知りました。
南淡路でのわかめの種つけは、一つ一つ手作業で、力仕事でした。北風の冬は厳しく、漁に出られないためわかめの養殖を始めたと聞きました。以前はたくさん取れていたので作業する人もいっぱいいたけれど今は減り、栄養不足でわかめが今厳しく、温暖化で種を魚が食べてしまい収穫量も減っていると漁師さんから聞きました。コープさんのイベントは海の今を教えて下さり、勉強になりました。
私はこの夏、コンポストという生ゴミを入れ毎日混ぜて肥料にするということをして秋にできた肥料を庭の土と混ぜて自然にかえしました。
自然を大切にするというあたりまえですが、だけど大切なことをコープこうべさんは体験することで教えて下さいました。
大好きな海産物がいつまでも食べられますように。


兵庫県教育長賞
「漁業者の森づくりに参加して」姫路市立御国野小学校 6年 渡部月葵 わたべひまり

私は昨年の12月に虹の仲間で森づくりに父と弟で参加しました。参加しようと思った理由は、父から山と海の関係があることを聞いて興味が出たからです。
最初のあいさつのときに、きれいな海ではなく豊かな海を漁業者が目指していること、そのために森づくりを行っていることを知りました。それを聞いて海と森には大切な関係性があると知りました。これからもこの関係を守っていきたいです。
初めての除伐作業は、最初は楽しくて細い木をたくさん切り、最後に一番太い木に挑戦しました。太い木は細い木よりも切るのに時間がかかったので父と弟と三人で協力してやっと切れました。
森は海の恋人と言われるほどつながりが深いことを帰ってから調べて知りました。それから海にちっ素が足りなくて、のりの色落ちがおこったり、いかなごがやせたりして漁業者が困っていることが分かりました。
漁業に関わる仕事をしている父は、冬になると雨が降ってほしいと言っていた理由がわかりました。豊かな海になることは、私が好きな、カニ、のり、いかなご、なまこ、すずき、アワビ、タコ、カキなどの兵庫県でとれる魚がとれ続けて食べられることだと思いました。
たくさん魚がとれる豊かな海になってほしいです。
森づくりを通して私は、自分になにができるかを考えました。漁業のイベントに積極的に参加して、豊かな海になるように協力します。他には兵庫県産の魚を食べること、今回学んだことを友達や周りの人に少しでも伝えられるように行動したいと思いました。


講  評

兵庫県知事賞  「私の大好きな海」

明石に住む渡部さんは、天気が良ければ淡路島がはっきり見える環境に育ち、海の香りに心を和ませながら日々を送っています。そしてそんな大好きな海を詩情豊かに表現しました。
空や海の色が毎日違うこと、空気の澄んだ朝は漁船のエンジン音が聞こえることなど、海への思いがあふれていました。
特に、「秋、夕日が海に沈んでいくときの青、黄、ピンク、赤のグラデーションの空」という体言止めの表現は、深く心に響いてきました。
また、小学生の時に海に関するイベントに参加した際には、かいぼり、わかめの種付け、坊勢島での漁業体験等、様々なイベントに参加する中で、海の色が透明できれいであれば良いのではなく、プランクトンがある海こそ「豊かな海」で海産物が育つのだと学び、「自然を大切にするという当たり前だが大事なことを体験することができた。大好きな海産物がいつまでも食べられますように」と結びました。
これからの時代は、「学ぶ」ことはもちろんですが、「学んだことをどう生かすか」ということが重要です。
コンポストを使って生ごみを肥料にする、すなわち自然を大切にすることを実践した渡部さんは、大好きな海を通して大きく成長し、学んだことを生活に生かしています。
これからも海を通して学んだことが生きる力となって備わり、未来へと続いていくことを願っています。

 

兵庫県教育長賞  「漁業者の森づくりに参加して」

日常生活における父親との会話から、海と森の関係について興味を持った渡部さんの課題意識に感心しました。遠く離れている場合が多い海と森に大きな関係性があることはなかなか考えづらい視点です。
そして、実際に「森づくり」のイベントに参加したり、自分で調べたりする中で、海の豊かさを支える窒素などの森から海へ流れる栄養が減少しすぎて、海の中の栄養が少なくなり、海の生き物が育ちにくくなっていることの理解に至っています。このように、自分から様々なことを学び、実践しようとする行動力や姿勢が素晴らしいです。
この作品を通して、渡部さんの海を大切にしたいという気持ちや海に対する深い愛情を感じました。これからも、豊かな感性を大切にし、海や森などの自然を守ることについて、自分にできることを考え、行動していくことを願っています。

令和5年度 ひょうご海の子作品展 作文部門 受賞作品
学校名学年氏名題名
兵庫県知事賞明石市立朝霧中学校1渡部 伊織私の大好きな海
兵庫県教育長賞姫路市立御国野小学校6渡部 月葵漁業者の森づくりに参加して
JF兵庫漁連会長賞姫路市立御国野小学校6日野 心音室津の海の今
神戸市立美賀多台小学校5藤本 紗希魚料理に大変身
JF兵庫女性連会長賞姫路市立御国野小学校6楽野 麻紘私たちが目指したい瀬戸内海
姫路市立御国野小学校6井上 稜星海の生き物と海洋汚染
農林中央金庫大阪支店長賞姫路市立御国野小学校6井上 未来海の環境問題について
姫路市立御国野小学校6藤岡 さや私たちが、今、海にできること
JFなぎさ信漁連理事長賞姫路市立御国野小学校6大場 結貴守っていきたい海の宝物
姫路市立御国野小学校5斎明寺 優亜海をきれいに
佳 作姫路市立御国野小学校5横山 昇護魚を守る海の環境
姫路市立御国野小学校5上岡 晃僕達の「くらし」と魚達の「未来」
姫路市立御国野小学校5弟子丸 結衣海の大切さと私たちの行動
明石市立朝霧小学校5渡部 七緒魚がたくさんいる海
姫路市立御国野小学校5二宮 笑菜海との関わり
加古川市立若宮小学校5池田 理歩 魚が生息できる豊かな海にしてくれている人々のおかげで
姫路市立御国野小学校6土屋 乃愛私の大好きな海
姫路市立御国野小学校6森下 明莉海のゴミと海の生き物
姫路市立御国野小学校5浦 聡里海が汚れる原因とその解決法
神戸市立舞多聞小学校1松川 康太ぼうぜぎょぎょうたいけんにいったよ
姫路市立御国野小学校6小林 萌々花私がゆたかな海のために出来ること
姫路市立御国野小学校6春名 史也 坊勢の海苔
姫路市立御国野小学校6黒木 楓潮干狩りに行った時
姫路市立御国野小学校6内田 悠登大好きな海
姫路市立御国野小学校6平野 晴大海での思い出
神戸市立美賀多台小学校5三浦 桔平沖縄のきれいな海
姫路市立御国野小学校6南 華音海ってすごい
神戸市立美賀多台小学校5吉田 帆伽きれいな海を守るために
姫路市立御国野小学校6森本 杏里サメについて
姫路市立御国野小学校6山本 悠斗姫路の漁業について


以上の作品が受賞しました。
県内の小中学生より127点のご応募をいただきました。
ありがとうございました。

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