令和3年度「ひょうご海の子作品展」作文受賞作品
兵庫県知事賞
「きれいな海とゆたかな海」 姫路市立坊勢中学校 2年 桂 茉瑚
私が住む坊勢島では、住民の約七割が漁業に携わり、水揚げ量、金額ともに兵庫県下で一、二位を争うほどの漁獲量を誇っている漁業と深く関わりのある島です。そして、ぼうぜ鯖、ぼうぜ蟹などブランド化もされている魚もあります。
そんな坊勢の漁業ですが最近は坊勢の魚が減少が発生しています。その理由は、魚がプラスチックを食べて死んでしまうこともありますが、一番の理由は、坊勢の海がきれいすぎて栄養分がないことです。栄養分がないと魚がやせたり二枚貝が育ちにくくなります。今、瀬戸内海は魚介類が育ちにくい海になってきているそうです。昔は陸から川を通じて沢山の栄養が海に流れこんでいました。しかし、排水規制の強化、農地の減少、下水道の普及などで海に流れ込む栄養は年々減少しています。栄養がないと魚は大きくなりにくいし、育ちにくいです。だから、農業者と漁業者によるかいぼりや海底耕耘、漁業者の森作りなどを実施しているそうです。
そんなことをしても変わらないんじゃないか、という人もいるかもしれませんが、農業者と漁業者によるかいぼりの理由としては、栄養を豊富に含むため池の水や泥を河川を通じて海へ流すことで海苔養殖への栄養塩供給につながります。栄養塩がないとのりの色が黒だったのが色落ちしてしまいます。色落ちする原因が栄養塩だと知ってとてもびっくりしました。
海底耕耘とは、底質環境を改善するため、漁業者が漁船で爪のついた専用のケタをひき海底を耕します。これにより海底をやわらかくして二枚貝などの海底にいる生物が生息しやすい環境を作り、またしずんでいる栄養塩を海中にまきあげるという効果があります。
森作りについては、森を作ってその森から川を通じて運ばれる栄養が豊かな海を育むことから「豊かな森は豊かな海を作ります」という合言葉があるそうです。実際、漁業関係で働いている私の父も木を植えにいったことがあるそうです。
他にも、イカナゴをとりすぎないように船の操漁時間の短縮や休漁日の設定をする取り組みをしているそうです。
このように、「きれいな海」と「豊かな海」は、はじめは同じ意味だと思っていたけれど調べたり聞いたりしていくと、違いが分かりました。海水浴や海の景色をみるのには、きれいな海が良いけれど、魚や人が生活していくうえでは豊かな海のほうが良いと思いました。
調べたり聞いたりして、海の近くに住んでいても知らないことが沢山ありました。こんなにも色々なことをしてくれている人たちがいるんだなと感謝し、学びました。これから坊勢が豊かな海になるように何か協力していきたいです。
明石市長賞
「ぼくの漁師になる道」 明石市立大観小学校 5年 森尾 大翔
ぼくは、しょうらい漁師になりたい。
なぜかと言うと、おとうさんみたいなカッコイイ漁師になりたいからだ。
お父さんは、ほぼ毎日漁に出かけている。今は、鯛漁で4時30分ごろに沖にでている。たこ漁の時は、夕方や夜中にたった一人で沖にでかける。お父さんはすごい。
潮の向きで魚のいる場所や時間がわかる。
そんなお父さんがカッコイイしそんけいしている。
自分もしょうらいお父さんみたいな浜で一番の漁師になりたい。
だから今、お父さんのつかわなくなったあみをもらってしかけを作ったり、折れたサワラづりのひっかけぼうで貝をとったりしている。とれた時は、とてもうれしい。
これからもお父さんの手伝いをしたり、自分であみを作って考えて漁をしたいしたい。
お父さんは、今腰がいたいとよく言っている。お父さんは、漁だけでなくて、家の事をお母さんの分までがんばってくれている。
だから、腰のいたいお父さんのためにしょうらいは、お父さんが漁に出なくてもいいようにしてあげたい。
浜で一番の漁師になって明石浦のおいしい魚をいっぱいとって、みんなに食べてもらいたい。
天国にいるお母さんもずっとぼくをおうえんしてくれている。
「おれは、ぜったい漁師になるから天国から見ていてください。お母さん。」